小学生時代に交通事故で九死に一生を得た如月烏有は、身代わりに死んだ医学生の半生を追いかけて医学部を目指したが挫折し、絶望していた。河原を放浪しているとき不登校の女子高生桐璃と出会い、彼女の紹介で小さな出版社の準社員として働きはじめる。
そうして、烏有は桐璃と仕事で和音島へ行くことになる。20年前、和音という少女を中心に彼女に心酔した若者たちが暮らした島に、彼女の20回忌を機に集まるかつての若者たちを取材するために。
ところが、晩餐に現れた桐璃を見て彼らに奇妙な緊張感が生じ、その翌朝、夏の雪密室に死体が転がる。彼らが明かしたがらない「和音」や島の共同生活に事件を解く鍵があるようだが……。
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