「夏季限定トロピカルパフェ事件」

夏休み。知恵比べで負けた小鳩は小山内のスウィーツコレクション食べ尽くしに付き合うことになった。しかし究極のりんご飴の日に迎えに行くと小山内が誘拐されたという電話がかかって。
小市民を目指す小鳩くん小山内さんコンビの不本意な事件簿第２弾。

甘いものが食べたくなる小説です。シャルロットの描写とかもうどうなんでしょう。中身もなかなか美味しく。ちょっと軽すぎるかな。
残念ながらストロベリータルトは未読。

有栖川有栖「双頭の悪魔」

夏の事件（「孤島パズル」参照）のショックを紛らわせるために四国に旅行中、ひょんなことから排他的な芸術家達の村に身を寄せる事になったマリア。アリスら英都大学推理小説研究会の面々もマリアを追って村へやってきたが、鉄砲水で橋が流され、江神部長とマリアは芸術家達の住む木更村に、アリスたち他の部員はその手前の夏森村に分断されてしまう。そして、この川を挟んだ二つの村で殺人事件が発生して･･･

森博嗣「レタス・フライ」

ラジオの似合う夜
出張先の異国で起きた事件に隠された真相

檻とプリズム
略

証明可能な煙突掃除人
略

皇帝の夢
最近見た夢のこと

私を失望させて
略

麗しき黒髪に種を
子供の頃に遠足の引率の女の子にひっつき虫を投げた思いで

コシジ君のこと
夢の中の街の住民になった小学校の同級生コシジ君

砂の街
久しぶりに帰ったふるさとは砂まみれで

刀之津診療所の怪
西之園萌絵らが訪れた島の診療所には奇妙な噂があって

倉知淳「星降り山荘の殺人」

上司を殴ってしまった和夫は芸能部に回され、"スター・ウォッチャー"星園詩郎のマネージャーをやることになる。就任すぐコテージ村の宣伝のため山奥へと二人は行くことになったが、依頼主の社長が何者かに殺されてしまった。おりしも悪天候、雪崩で山荘は陸の孤島に！

意外な犯人です。
フェアプレイです。
いや～、すごいね。騙されますな。瞬く間に作者の思う壺にはまっていました。

荻原規子「樹上のゆりかご」

友人の誘いで合唱祭のパンの売り子を任された私。合唱祭自体は無事成功を収めたものの、その裏ではパンに針が混入されていたという凶悪な悪戯があったのだ。
成り行きで生徒会運営部にはいった私だったが、その後も脅迫状が届いたり、体育祭のために作り上げつつあったボードが燃やされるなどの嫌がらせがおきて･･･犯人はあの新しい友人なのか。

サロメ。サロメ。ヨカナーンの首を！
久しぶりにこういうのを読んだ。読みやすい。面白い。
どろどろでさわやか。うーん、青春小説（？）

島田荘司「犬坊里美の冒険」

司法研修生になった犬坊里美が配属された事務所に来た殺人事件の国選弁護依頼。しかし、被害者の遺体は現場から忽然と消え、被疑者は何も語らない。里美たちは真実を知ることができるのか？

犬坊里美って、誰？と思った。御手洗シリーズで出てくる石岡先生と仲良しの女子大生か。
真犯人は･･･判るでしょう。他にいないもの。
消えたトリックもまあ、見当がつく。が、あれが伏線とは思っていなかったわけで、このトリックを成立させる２要素をそれぞれ可能性としては思いついていたけれどもそれをくっつけるところまで行かなかった･･･敗北。

有栖川有栖「孤島パズル」

マリアの祖父が残した進化するモアイパズルが眠る島へやってきたマリア、アリス、そして江神先輩の推理研究会三人。ところが孤島で密室殺人が起こって･･･。
学生アリスシリーズ第２弾。

ほんまにパズルでした。解答が論理パズルだ。
で、気づきました。私って実は数学パズル的なものを解くのが嫌いだ･･･という致命的な欠点に。どうする現役ミステリ研部員っ！

北村薫「夜の蝉」

円紫師匠と私シリーズ第２段短編集。

「朧夜の底」
『私』の友人正ちゃんのバイト先の本屋でなぜか棚の本がまとめて上下逆さにされる悪戯が。いったい誰が何のために？

「六月の花嫁」
友人につれられて軽井沢の別荘へ行くことになった『私』。
ところがチェスのクィーンが行方不明になり、なぜか卵入れから出てきて？
三題話式悪戯に隠された真相。

「夜の蝉」
『私』がいまだにどこか恐れてしまう美しい姉。
その姉の奇妙な体験と、姉妹の絆。

再読。にもかかわらずアンドーさんしか覚えていなかった･･･（笑）
見事な忘れっぷりに感心するね。

島田荘司「新装版 ひらけ！ 勝鬨橋」

館長が詐欺に引っかかりやくざに奪われた老人ホーム。そんな最中、殺人事件が起こり、無料ホーム・竹の子寮の落ちこぼれ老人のひとり陣兵衛が消えた。その前にホームのアイドルをめぐり決闘騒ぎまで起こしていた陣兵衛が犯人なのか？
老人ホームをやくざから取り返すために竹の子寮のゲートボールチーム「青い稲妻」の面々が立ち上がる！

島田荘司なのに･･･（笑）コメディだよ！
というか、車好きが高じて渡米したんかい、この人！？

バークリー「毒入りチョコレート事件」（創元推理文庫）

クラブにペンファーザー卿宛で送られてきたチョコレート。たまたま前日に賭けに負けて妻にチョコレートを買って帰ることになっていた友人・ベンディックスはチョコレートを譲り受けて夫婦でそれを食べたのだが、妻は急死、自身も中毒を起こしてしまう。そのチョコレートにはニトロベンゼンが混入されていたのだ！
このチョコレートを送ったのはいったい誰なのか、犯罪研究会の面々がそれぞれ推理して導き出した６者６様の解答、そして明かされた真犯人とは？

少々軽い文章だがこの軽さが読みづらい･･･（笑）
犯人はちゃんと意外な人物です。６人とも全く違う解答にたどり着くわけですが、それぞれちゃんと筋道だったまともな推理＆調査の上に成り立っているというのは非常に凝った趣向。